幕末の偉人・坂本竜馬を愛する人間たちの物語
明治十二年、坂本竜馬の十三回忌を翌年に控えたある寒い冬の夜。元海援隊士の菅野覚兵衛(佐藤B作)は、竜馬の未亡人、お竜(あめくみちこ)を訪ねて横須賀にある長屋へとやってきた。お竜は「つる」と名を変えて、今は大道商人・西村松兵衛(平田満、山口良一)の妻となっていたが、平凡な松兵衛との刺激のない生活に満足できなくなり、飲んだくれ、あげくにテキ屋の元締め・虎造(佐藤稔)とデキてしまった…。来年は竜馬の十三回忌。イヤが上でも、世間の注目は竜馬の未亡人に集まる。その前になんとか手を打たなければ…。実はこの覚兵衛、竜馬の十三回忌の打ち合わせで会いに来たとは表向きの理由で、政府より別の使命を負っていたのだった。